【山形市M家の芋煮】
材料:牛肉、里芋、長ネギ(斜め切り)、平こんにゃく(手でちぎる)
醤油(最近は味マルジュウ多し)、砂糖、酒
以前紹介されていたように、同じ『山形芋煮』でも庄内と内陸では肉と味付けのベースが違いますが、さらに言えば内陸でも3地区(最上・村山・置賜)で具が微妙に違ったりします。
山形地区で基本となるのが上記のごくシンプルな具材。お家によっては舞茸やごぼうを入れたりもします。
単純なだけに材料にはこだわり、特に里芋は箸を入れるととろける系の品種(悪戸いもなど)が最上とされます。
芋煮会だけでなく、秋~冬のシーズンは頻繁に食卓に登場します。まさに、ソウルフードですね。
「だし」(庄内にて作成)
内陸発祥で庄内で見られるようになったのは、近年かと思います。山形の人にレシピを聞いて作ってはみるものの、野菜の生臭さに慣れず、これが本当の味なのかと疑心暗鬼になったものです。しかし試行錯誤して、何度も作るうちに、美味しさに到達。今や夏の食卓になくてはならないご馳走に。具をあれこれアレンジして、マイだしを毎年開発するのが楽しみとなりました♪
作り方(写真の場合)
材料:なす、きゅうり、ピーマン、トウモロコシ(=きび)、醤油
※梅干し、わさび、生姜、シソ、酢を加えると殺菌効果が得られ、風味も爽やかになります。
1)野菜を細かくさいの目切りにします。(写真より小さい場合の方が多い、ナスはしばらく水に浸けてアクを抜く。)
2) 1)を合わせ、醤油を入れかき混ぜ、一晩冷蔵庫でなじませる。(30分位で食べる人も多い)
こちらの写真を見るだけで、多くの庄内人は
「うっ」とよだれ反応が出てしまうのではないでしょうか。
庄内では、イクラ、もしくはイクラ醤油漬けを
「はららご」と言います。
この時期の新米と最高のお供でございます。
食べ盛りの子どもはイクラでも(少笑)
食べてしまうので大人のご飯がなくなってしまうという
気を付けないといけないお供です。
さて、作り方ですが、
庄内地方では秋口からスーパー、魚屋さんなどで、
薄皮が付いたままの腹子(はらこ)が
見られるようになります。
北海道、秋田、宮城など産地が明記されており、
由良と書かれた地元産などは
高値が付いています。
サイズによりますが、大体1,000円~3,000円ですので、
思い切って購入します。
最初は、薄皮からイクラを外す作業です。
筆者はあまり上手とは言えず、
無残につぶれてしまうイクラが多く出ると
悲しい気分になります。
ボールに一握りの塩とぬるま湯、
そしてイクラを入れ、丁寧に皮から外していきます。
外したら数回水を換え洗い、ざるに上げ水を切ります。
タッパーに醤油とお酒を同量(30~50cc位)
入れておき、イクラを入れます。
イクラより多くなり過ぎないように
量を調節してください。
一晩しみ込ませたら出来上がりです。
ご飯のお供や大根おろしと一緒にぜひどうぞ。
庄内風芋煮の良いところは、野菜根菜がたっぷり入っているヘルシーさ、そして、それら多種の具材から出たダシがきいたスープ(お汁)です。私は、お汁だけでも2~3杯はいただけると思います!
さて、もうご存知の方が多いかもしれませんが、庄内風芋煮の材料は、
・里芋 ・豚肉 ・こんにゃく ・あぶらげ(厚揚げ) ・しいたけ(しめじ・舞茸でも可) ・ごぼう ・人参 ・ねぎ
です。大根を入れる場合もあります。
・・・改めて検証すると根菜ばかりで野菜(?)は葱だけ?のような(^_^;)
まあ、どちらにしろヘルシーおいしー庄内芋煮を今年もたっぷりいただきましょう♪
ちなみに、内陸風の芋煮の記事はこちら (*^_^*) ↓
山形市Y家のいも煮
春を感じるばんけ(ふきのとう)が顔を出しています。「ばんけみそ」は、作る人それぞれこだわりがあり、結構味に違いがあります。
(鶴岡市 Tさんの場合)
・ばんけ ・みそ ・みりん ・酒 ・卵の黄身
①ばんけは、細かく刻んで、塩を入れたお湯でさっと茹で、水にとって灰汁を抜く。
②ばんけ以外の調味料を、小鍋に入れ、弱火にかけ、練り混ぜる。
③ ①と②が冷めたら、合わせて出来上がり。
「おみ漬けは人それぞれの作り方だと思いますが、
うちのはちょっと作り込んでる方かな?でもかなりうまいです!」
とのこと(^^♪ ご飯何杯もいけるそうです!
【おみ漬け】(東根市)
<材料>
青菜、大根、にんじん、白だし、砂糖(赤ザラメ)、
だしの素、酢(少々)塩
<作り方>
1、青菜は3~4日位干したらきれいに洗いうすく切る
(葉先は使わない)
2、1を塩でもんで重石をのせ、水があがるのを待つ。(1~2日位)
3、白だし、砂糖、だしの素、酢を火にかけ、
よくとかし混ぜ合わせ、さます。
4、大根、にんじんをせんぎりかいちょう切りにし、
2、3と合わせつけこむ。味がなじんだら出来上がり。
(参考)筆者は庄内人で、おみ漬けという名前に馴染みがないため、
「おみ」の意味を調べてみましたら、滋賀県の近江商人に由来しているということでした。(諸説あり)
近江商人の「三方よし」というポリシーが息づいた
ありがたい漬け物なのかもしれません。
12月9日は、「大黒様のお歳夜」。
山形県内の内陸地方に住む方々は、
馴染みのない方が多いかもしれません。
庄内地方の伝統行事「大黒様のお歳夜」は、
大黒様が妻を迎える夜とされ、豊作と子孫繁栄をお祝いしたり、
願ったりします。
その日に大黒様に(神棚など)にお供えする料理も
伝統のメニューです。
【黒豆ご飯、黒豆のなます、豆腐の田楽、納豆汁、
ハタハタの田楽、米炒り、まっか大根】
豆に暮らせるように(働けるように)と願いを込めた豆づくしの料理。
そして、子孫繁栄を願った子持ちのハタハタ。
先が二股に分かれた「まっか大根」にも意味が込められています。
もういつ雪が降ってもおかしくない時期ですが、 秋の美味しいメニューを紹介します。
・アケビの肉味噌炒め(アケビの甘い果肉部ではなく、外側の少し苦みのある皮を細く切って調理に使います)
・「からどり(ずいき芋の茎」)と「もってのほか(食用菊)」の胡麻和え
・もってのほかのからし醤油和え
・天然もだし(ならたけ)汁
寒くなったこの時期、きのこ汁は身体が温まりますよね~。
【山形市Y家のいも煮】です。
材料は、・里芋・牛肉・まいたけ・こんにゃく・大根・豆腐・長ねぎ。
味付けは、砂糖としょうゆ、だし。といたってシンプル。
作り方は、鍋に水と里芋・大根・こんにゃくを入れ、里芋が柔らかくなったら、まいたけ・牛肉・砂糖、しょうゆ、だしを入れます。味がしみてきたら最後に、豆腐と長ねぎを投入します!(個人的には、2日目以降のいも煮が好きです☆豆腐に味が染み込み、長ねぎが柔らかくなるので♪:Yさん)
最後にカレーを楽しみます。
>>市販のカレールーを投入し(適当に)、あんばいを見て水を足します。
牛肉に豆腐とは、すき焼きのような感じ?でもやはり最後はカレーなんですね。庄内では、シメカレーはあまり行われなかったのですが、近年内陸の真似をして作ってみたりしているようです。
庄内の夏の食べ物の筆頭と言えるでしょう。一体庄内人は、ひと夏に何粒(何万粒!?)食べるのでしょうか。
本家本元は、鶴岡市白山地区の「白山」ブランドですが、今やほぼ庄内地区全域でおいしい枝豆が生産されていて、産直やスーパーにはずらりと試食品と共に枝豆が並んでいます。
近年は、枝から豆が外された状態で袋づめされ販売されていますが、少し前までは枝ごと売られていました。枝から豆をもぐ作業は、子どものお手伝いの定番だったと思います。この時期になると町のごみ収集所には、だだちゃ豆の枝が各家庭から集まり、束ねて積み重ねられていました。
さて、だだちゃ豆の茹で方ですが(諸説あります)、ご紹介します。
1)豆を水洗いする(塩でもんで細かい毛を取り除く、という農家の方もいます)
2)鍋に豆と水(豆がかぶるくらい)と適量の塩を入れて火にかける。
3)沸騰し、豆のさやが開いてきたら、随時味見をして、好きな硬さになったら火を止める。 ※簡単に柔らかくなるので、ここで油断しない。
4)ざるに上げ、水や氷水で一気に冷やして出来上がり。(水に付けないで、広げて冷ます派もいます)
美味しくて栄養たっぷりのだだちゃ豆。 こちらでも取り扱っています↓
山形の郷土料理を食べる、作る、習う、広める誰でも参加の部活動