こちらの写真を見るだけで、多くの庄内人は
「うっ」とよだれ反応が出てしまうのではないでしょうか。
庄内では、イクラ、もしくはイクラ醤油漬けを
「はららご」と言います。
この時期の新米と最高のお供でございます。
食べ盛りの子どもはイクラでも(少笑)
食べてしまうので大人のご飯がなくなってしまうという
気を付けないといけないお供です。
さて、作り方ですが、
庄内地方では秋口からスーパー、魚屋さんなどで、
薄皮が付いたままの腹子(はらこ)が
見られるようになります。
北海道、秋田、宮城など産地が明記されており、
由良と書かれた地元産などは
高値が付いています。
サイズによりますが、大体1,000円~3,000円ですので、
思い切って購入します。
最初は、薄皮からイクラを外す作業です。
筆者はあまり上手とは言えず、
無残につぶれてしまうイクラが多く出ると
悲しい気分になります。
ボールに一握りの塩とぬるま湯、
そしてイクラを入れ、丁寧に皮から外していきます。
外したら数回水を換え洗い、ざるに上げ水を切ります。
タッパーに醤油とお酒を同量(30~50cc位)
入れておき、イクラを入れます。
イクラより多くなり過ぎないように
量を調節してください。
一晩しみ込ませたら出来上がりです。
ご飯のお供や大根おろしと一緒にぜひどうぞ。
清々しい風の吹く五月晴れの陽気です。
庄内地方では田植えが盛んに行われております。
皐月とは耕作の月、つまり田植えの月なのです。
植物の生命が青々と、盛んに伸びる時期です。
写真は、鶴岡市にある食彩あぐりの季節の食材ランチ。
丸いつや姫のおにぎりにのっている
緑色の「ワラビたたき」をご存知ですか?
ワラビをたたいて粘りを出したものですが、
こちらがご飯に合う!
独特のワラビの味わいがクセになる一品です。
お椀はこの時期の主役「孟宗汁」。
各家庭で調理方法や具材は違いますが、
基本として、孟宗、油揚げ(あぶらげ)、椎茸。
酒粕を入れた味噌味です。
私個人は基本具材だけで味わうのが好きですが、
ニシンや豚肉、又はこんにゃくを入れるという
お好みもあるようです。
庄内風芋煮の良いところは、野菜根菜がたっぷり入っているヘルシーさ、そして、それら多種の具材から出たダシがきいたスープ(お汁)です。私は、お汁だけでも2~3杯はいただけると思います!
さて、もうご存知の方が多いかもしれませんが、庄内風芋煮の材料は、
・里芋 ・豚肉 ・こんにゃく ・あぶらげ(厚揚げ) ・しいたけ(しめじ・舞茸でも可) ・ごぼう ・人参 ・ねぎ
です。大根を入れる場合もあります。
・・・改めて検証すると根菜ばかりで野菜(?)は葱だけ?のような(^_^;)
まあ、どちらにしろヘルシーおいしー庄内芋煮を今年もたっぷりいただきましょう♪
ちなみに、内陸風の芋煮の記事はこちら (*^_^*) ↓
山形市Y家のいも煮
県外に住んだり、他地域に住んでいる方から「へー、面白いねー!」と言われ、初めて「これってここだけ?」という事実が明るみに出る食べ物ってありますよね。
もう9月で芋煮汁の季節が始まっていますが、庄内の夏~初秋の定番味噌汁を紹介します。
3種紹介しますが海鮮の具材を広げるともっとあります。
庄内で生まれ育った人間にとっては特に珍しくはないのですが、みなさんいかがですか?
食べたことはありますか?
だだちゃ豆の味噌汁
今はだだちゃ豆を知らない方は少なくなっていると思います。
この味噌汁を食卓に取り入れたら本当のだだちゃ豆通!
よく洗っただだちゃ豆を普通の味噌汁の具同様茹でますが、「さやごと」です。さやからも旨みが出るためです。湯で時間はあくまで軽く。豆が柔らかすぎると美味しさを損ないます。そして、ダシ、味噌を入れて出来上がり!食べ方はお好みですが、だだちゃ豆の風味のきいたお汁を全部飲んでから、最後に豆をいただきます (*^_^*)
とうもろこしの味噌汁
これは、見た目の豪快さにびっくりされるでしょう。
「輪切り」ですので。
上記のだだちゃ豆味噌汁と同じく、とうもろこしの粒だけでなく、芯からも甘い旨みが出ますので、汁も充分堪能します。子どもにも大人気の夏の風物詩です。
いげし(えげし)の味噌汁
内陸部に住む方は、いげし(えげし)を見たことも聞いたこともない方が多いと思います。
いげし(えげし)は、海草で、庄内沖でもよく採れます。
こちらでも以前紹介していました。
⇒えげし・いげすの味噌汁
こちらは、いげしと合わせる定番である茄子の他に、みょうが、豆腐も入れて具沢山に仕上るのが好みだというAさんのご家庭の味噌汁です。こちらは夏の終わりとともに姿を消してしまいます。
写真は、黒蜜ときな粉をたっぷりとまぶした「鶴岡笹巻」です。
「鶴岡」としましたのは、笹巻は地域によってその作り方、形が異なるからです。
こちらは、もち米を「灰汁」で煮た黄色い笹巻です。
少し透明感があり、ぷるんとし感触、そしてもっちりとした食べ応えのあるスイーツ。
「灰汁」の香りと味はクセがありますが、慣れるとそれまたクセになる美味しさです。
飽海地区などの庄内の北部では、この「灰汁」を使わないので白色になります。
素朴な甘さと笹の香りに癒される、春から初夏までのお楽しみです。
【笹巻取扱店】庄内観光物産館
春を感じるばんけ(ふきのとう)が顔を出しています。「ばんけみそ」は、作る人それぞれこだわりがあり、結構味に違いがあります。
(鶴岡市 Tさんの場合)
・ばんけ ・みそ ・みりん ・酒 ・卵の黄身
①ばんけは、細かく刻んで、塩を入れたお湯でさっと茹で、水にとって灰汁を抜く。
②ばんけ以外の調味料を、小鍋に入れ、弱火にかけ、練り混ぜる。
③ ①と②が冷めたら、合わせて出来上がり。
外は雪が降り積もる寒い冬。
暖かい部屋のコタツに入りながら食べるスイーツ「水ようかん」
通常の羊羹のようにこってりとした甘みではなく、
つるりとしたのど越しのさっぱりとした甘さのようかんです。
冷蔵庫がなかった時代、冬の低い気温を利用して
固めた鶴岡の甘味です。
家庭で大きなバットに作り、
おすそ分けに配ったりしていましたが、
今はお店で買う方の方が多いかもしれません。
(販売店のご紹介)
・木村屋
・住吉屋菓子輔
寒の季節に入ると庄内地方では、盛んに寒鱈イベントが行われます。
2016年1月10日(日)には、「シーズン最初の寒鱈まつり」と銘打った「ひろっぴあ こども寒鱈まつり」が鶴岡市中央児童館にて開催されました。
子どもたちの目の前で寒鱈をさばき、寒鱈の知識を楽しく学ばせてくれる児童館恒例となったイベントです。
講師は、庄内浜文化伝道師の手塚さんと佐藤さん。お二人は鶴岡市の手塚商店の社長さんとスタッフさん。今年で10年になるという活動だけに、お二人の慣れた掛け合いとクイズを交えたトークに、子どもだけでなく大人も楽しく学ぶことが出来ました。
クイズは、おなかを開いた鱈を見て雄か雌かを当てるものや、取り出した内臓が何であるか(肝臓、胃、白子など)答えるものなどがあり、子どもたちが間違いを気にせず元気に手を挙げる大盛り上がりの勉強会でした。
この日の鱈は、雄8.5kg、雌9.4kg。一般に雌のほうが大きいそう。そして肝臓も雌の方が大きいため、寒鱈汁を作る際には雌の方がコクがあり、旨みの多いものが出来るということでした。
今回私が初めて食べた内臓は、「胃」。これまでなんとなく食べてこなかったのですが、新鮮なものはコリコリして美味という手塚さんの話を聞いたので口にしてみると、おっしゃる通り臭みもなく活きのよい弾力感。前の日の夜、港に着いて今朝仕入れたばかりの新鮮な鱈を提供していただいた手塚商店さんに感謝です<m(__)m>
12月9日は、「大黒様のお歳夜」。
山形県内の内陸地方に住む方々は、
馴染みのない方が多いかもしれません。
庄内地方の伝統行事「大黒様のお歳夜」は、
大黒様が妻を迎える夜とされ、豊作と子孫繁栄をお祝いしたり、
願ったりします。
その日に大黒様に(神棚など)にお供えする料理も
伝統のメニューです。
【黒豆ご飯、黒豆のなます、豆腐の田楽、納豆汁、
ハタハタの田楽、米炒り、まっか大根】
豆に暮らせるように(働けるように)と願いを込めた豆づくしの料理。
そして、子孫繁栄を願った子持ちのハタハタ。
先が二股に分かれた「まっか大根」にも意味が込められています。
もういつ雪が降ってもおかしくない時期ですが、 秋の美味しいメニューを紹介します。
・アケビの肉味噌炒め(アケビの甘い果肉部ではなく、外側の少し苦みのある皮を細く切って調理に使います)
・「からどり(ずいき芋の茎」)と「もってのほか(食用菊)」の胡麻和え
・もってのほかのからし醤油和え
・天然もだし(ならたけ)汁
寒くなったこの時期、きのこ汁は身体が温まりますよね~。
山形の郷土料理を食べる、作る、習う、広める誰でも参加の部活動