12月9日は、「大黒様のお歳夜」。
山形県内の内陸地方に住む方々は、
馴染みのない方が多いかもしれません。
庄内地方の伝統行事「大黒様のお歳夜」は、
大黒様が妻を迎える夜とされ、豊作と子孫繁栄をお祝いしたり、
願ったりします。
その日に大黒様に(神棚など)にお供えする料理も
伝統のメニューです。
【黒豆ご飯、黒豆のなます、豆腐の田楽、納豆汁、
ハタハタの田楽、米炒り、まっか大根】
豆に暮らせるように(働けるように)と願いを込めた豆づくしの料理。
そして、子孫繁栄を願った子持ちのハタハタ。
先が二股に分かれた「まっか大根」にも意味が込められています。

もういつ雪が降ってもおかしくない時期ですが、 秋の美味しいメニューを紹介します。
・アケビの肉味噌炒め(アケビの甘い果肉部ではなく、外側の少し苦みのある皮を細く切って調理に使います)
・「からどり(ずいき芋の茎」)と「もってのほか(食用菊)」の胡麻和え
・もってのほかのからし醤油和え
・天然もだし(ならたけ)汁
寒くなったこの時期、きのこ汁は身体が温まりますよね~。
庄内の夏の食べ物の筆頭と言えるでしょう。一体庄内人は、ひと夏に何粒(何万粒!?)食べるのでしょうか。
本家本元は、鶴岡市白山地区の「白山」ブランドですが、今やほぼ庄内地区全域でおいしい枝豆が生産されていて、産直やスーパーにはずらりと試食品と共に枝豆が並んでいます。
近年は、枝から豆が外された状態で袋づめされ販売されていますが、少し前までは枝ごと売られていました。枝から豆をもぐ作業は、子どものお手伝いの定番だったと思います。この時期になると町のごみ収集所には、だだちゃ豆の枝が各家庭から集まり、束ねて積み重ねられていました。
さて、だだちゃ豆の茹で方ですが(諸説あります)、ご紹介します。
1)豆を水洗いする(塩でもんで細かい毛を取り除く、という農家の方もいます)
2)鍋に豆と水(豆がかぶるくらい)と適量の塩を入れて火にかける。
3)沸騰し、豆のさやが開いてきたら、随時味見をして、好きな硬さになったら火を止める。 ※簡単に柔らかくなるので、ここで油断しない。
4)ざるに上げ、水や氷水で一気に冷やして出来上がり。(水に付けないで、広げて冷ます派もいます)
美味しくて栄養たっぷりのだだちゃ豆。 こちらでも取り扱っています↓
夏、これを頂かなくてはなりません。
(という食材はたくさんありますが)
旨さと大きさで有名な「遊佐 吹浦」の岩牡蠣をいただきました。
鳥海山のミネラル豊富な伏流水と日本海の恵みでまるまる太った
この地区の岩牡蠣は夏に一度は食べておきたい逸品です。
(由良や鼠ヶ関の岩牡蠣も必ず食べます。)
豊富なミルクに目をつむり、無言になり、唸ります(*´▽`*)
庄内に生まれて良かった。
庄内には、夏ならではの味噌汁がいくつかあります。
・だだちゃ豆の味噌汁(さやごと入っています)
・とうもろこし(きび)の味噌汁(輪切りです)
・けんこ(貝。いがいなど、岩場で捕れる小さな巻貝など。海辺に住む人は食べないかも)の味噌汁
(もっとありそうですが、)
そして、「えげし(いげし/いげす)の味噌汁」です。
茶色~赤紫色の海藻類で、熱い味噌汁にさっと入れて食べます。
時間がたつと柔らかくトロンとしてしまうので、早めに食べてさくさくとした食感と海の香りを楽しみます。
えげしを入れる味噌汁は、茄子と決まっているようです(?)
茄子のシンプルな味が、えげしの風味を邪魔しないのかも。
夏の終わりとともに、その姿は魚屋さんから消えていきますが、乾燥したものがありまして、県外の方に喜ばれるお土産になっています。
山形の郷土料理を食べる、作る、習う、広める誰でも参加の部活動