それにしても不思議な冬でした。
先月も触れましたが、いくら暖冬でも除雪作業を一度も行うことなくシーズン終了などというのは記憶にありません。
降りが強い朝は小1時間も費やす除雪をしなくて済むのですから嬉しい限りです。
雪国でない地域では毎年こんな感じで冬を過ごすのでしょうね。
うらやましくもあり、憧れていた世界を実感できたといったらオーバーでしょうか。
それでもいくばくかの雪は積もったのです。
山形地方気象台のデータによりますと、山形市内で今冬の最深積雪は7㌢でした。
これが2月に3回、3月に1回ありましたが、気温が例年より高いこともあり、あっという間に消えました。
一面が白い世界というのを連続してみることはほとんどありませんでした。
ちなみに前のシーズンの最深積雪は53㌢もあったのです。
雪国としては雪の少ない冬を有難がってばかりいるわけにもいきません。
スキー場、除雪車のオペレーターなど雪を相手に仕事をしている人たちがたくさんいるのです。
“変則”ということがいかに人々の生活に大きな影響を及ぼすかを再認識させられました。
暖冬で季節の移ろいもスピードアップしています。
わが菜園の片隅にある梅の古木は昨年より2週間も早く白い花を咲かせました。
水仙も早々に開花。
桜の蕾は今にも割れんばかりになっています。
迷惑なのは雑草。
この時期は土がたっぷり水分を含んで粘土状になっており、除草作業がままなりません。
それをいいことに縦横無尽にはびこっています。
野菜栽培に向けての作業が間もなく始まりますが、その前に雑草を片付けなければならず、見るたびにうんざりしています。
こうした中、ちょっぴり嬉しいのは、晩秋に採り残したままになっていたハクサイの茎立ちが食卓に春の香りと味を運んでくれることです。
晩酌のお供にぴったり。
桜花爛漫の候。
いつものこの時期ならまさにルンルンといったところでしょう。
しかし新型コロナウイルスが猛威を振るうこの春はそうした気分を一掃。
先の見えない真っ暗闇のトンネルに閉じ込められた感じです。
中国・武漢で発生した当時は、春節が終わるころには収まるのではないかと思っていました。
ところがあっという間に世界的規模で感染が拡大し、日々報じられる感染者や死者は想像を絶する数字になってきております。
専門家によると終息するまでには相当の時間がかかるということですが、1日も早く撲滅への道が開けることを願ってやみません。
(2020/03/29)