寂しい秋ですね。
とは言っても「かさ、こそ」と落ちてくる色づいた木の葉を見て、センチメンタルになっているわけではありません。
山形の秋の風物詩である河原での芋煮会がほとんど姿を消したのです。
例年なら9月に日本一の芋煮会が開催された後、山形市の中心部を貫流する馬見ヶ崎川などの河川敷は芋煮会を楽しむ市民や観光客でにぎわいます。
それが今年は・・
原因はクマです。
市街地に出没し人や家畜を襲ったり、農作物を食い荒らしたりとさまざまな被害と恐怖をまき散らし全国的に大問題になっています。
人命も奪われるなどその深刻さは尋常でありません。
山形市のホームページに掲載されているクマの目撃情報は今月30日で265件に達しました。
ちなみに令和3年は48件、4年43件、5年82件、6年には74件ですから、今年がいかに異常かが分かります。
件数だけでなく出没した場所も昨年までは山林や山裾の農地がほとんどでしたが、9月以降連日のように住宅地や市街地の河川敷で目撃されるようになりました。
クマの影におびえながらの芋煮会やバーベキューでは秋の味覚を青空の下で満喫するどころではないでしょう。
クマが目撃された地域の小中学校は臨時休校や早退、保護者付き添いの登下校を強いられるし、子供たちが楽しみにしていた野外学習もほとんど取りやめになったとか。
数年前からこのブログでもエサになる木の実の凶作などクマにまつわる話を取り上げてきましたが、まさかこんな事態になるとは全く想像もできませんでした。
数年前、林道を走行中に車のすぐ前を親子クマ3頭が慌てて横切って藪の中に身を隠しました。
「怖い、逃げろや、逃げろ」的なあの後ろ姿からは、市街地で凶暴な行動に走るクマが同じ種類とはなぜか思えません。
人や車を恐れなくなったクマ。
突然変異じゃあるまいし、何が原因でこんなに変化してしまったのでしょうか。
下旬になってビッグニュースが飛び込んできました。
世界170カ国以上で旅行雑誌やデジタル媒体などを展開する米国・ナショナルジオグラフィックの「2026年に行くべき世界の旅行先25選」に山形県が選ばれたのです。
日本では一昨年の京都、昨年の金沢に次ぐもので、今回は国内で唯一です。
世界の中のわずか25カ所の1カ所ですから凄い。
他に選ばれたのは北京やブラジルのリオデジャネイロ、オーストラリアのエアーズロックなど。
蔵王や山寺、出羽三山などの美しい自然や温泉、それに料理の素晴らしさなどが高く評価されたとか。
世界中から訪れる人たちに山形のハイレベルのお蕎麦を楽しんでもらえる絶好の機会になりそうです。
「YAMAGATA SOBA」が海外で広く認知されると嬉しいですね。
(2025/10/31 辻蕎麦HP)
