
べースボールジャーナリストの石田雄太氏にとっては、松坂大輔は特別な投手です。この一冊は、石田氏でなければ松坂から引き出せなかった言葉の数々が綴られています。
松坂は、歩行器に入ってお頭付きの鯛を見下ろす人生最初の記憶から語りはじめ、最初に習った剣道、「キャプテン翼」に夢中でサッカーをしていた小学校時代へと話が進んでいきます。小学校3年生で野球チームに入ると、小学校卒業時には、「夢はホームラン王になって100億円稼ぐ」と宣言していたという。中学3年生で日本代表入りし世界大会へ。そして誰もが知る横浜高校での甲子園を席巻した漫画のような大活躍をします。
ここでしか読めないプロ入り裏話と規格外のルーキーシーズンや、NPBさらに五輪、WBC、MLB、そして23年のプロ生活に別れを告げてボールを置くことを決めた理由まで、これまで語られなかったエピソード満載で自らの野球人生のすべてを語り下ろします。
あの投球の裏でそんなことを考えていたとは……、あの試合はそんな状況で行われていたとは……、あの決断の理由は……と驚きの連続です。「ボロボロになるまで野球をすることができました」とはどういうことなのか、野球好きには興味が尽きません。
松坂大輔という稀代の野球選手が自らの言葉で語る、平成の怪物の真の姿はここでしか読むことができません。
石田雄太:著
文藝春秋:発行
定価:1 980円(税込)
(情報提供:(株) 八文字屋)