「えっ、なにこれ」「美味しいから食べてみて」。
昨年の晩秋に小さな一粒の果実に出会いました。
黄色っぽく透明感のある真ん丸い実で、直径2㌢前後かなという大きさです。
こんな小さな果実は見たことがありませんでした。
正体は?とにかく食べたら教えるからと言われ、恐る恐る口の中へ。
かんだ瞬間、超ミニサイズから出たとは思えないほどの爽やかな甘さが口全体に広がります。
何かに似ている味だが、これと言って思い浮かばない。
多分、完熟した複数の果物の良いところだけをとったような、といえば褒めすぎかもしれませんが、そんな感じでした。
食べ終えて答えを教えてもらったら、「ホオズキ」だって。
一瞬、「嘘でしょう」。
ホオズキって毒素が含まれているという記憶が頭の片隅にかすかに残っていたからです。
さては好奇心の強さと食い意地を利用されて毒殺を企てられたかなどとあらぬ妄想にかられながら、正体を訊ねたらホオズキはホオズキでもショクヨウホオズキという別の種類なのだとか。
来年、種を蒔いて育ててみたらと数粒渡されました。
夏物野菜の種蒔きや植え付けなどが一段落したところで、ふと思い出しました。
どうすれば良いのか分からず、実そのものをポットに植えたり、実をつぶして種を出して蒔いたりしました。
しかし畑に植えた野菜の世話や草取りなどに追われて放置状態に。
気付いたらどのポットからも芽が出て、葉をつけていました。
植物の生命力の強さに改めて感動させられると同時に、手抜き農法になっている自分に反省しながら、さっそく畑に定植しました。
今月に入りホオズキ特有のかわいらしい紙風船のような袋が姿を現しました。
最初は緑色で徐々にベージュ色に変化し、ある日突然ふわりと地面に落ちてきます。
これが完熟した証とか。
袋を破ると中には、毒殺されかけたと勘違いした小さな実が。
口に含んだら、当たり前ながら去年と同じように爽やかな甘さが広がりました。
ネットで検索したら、欧米では昔から食べられていたようですが、日本ではまだそれほど普及していないのだとか。
料亭や高級レストランで提供されている、といった説明も。
種類はいろいろあるようですが、わが菜園にあるものが何かはまだ調べていません。
何歳になっても知らないことが次々と出て来るもんですね。
山形市周辺のソバ畑は真っ白いうねりの季節を終え、収穫時期に向かっています。
ことしも美味しいお蕎麦に仕上がるのは間違いなさそうです。
新蕎麦を堪能できる日を心待ちにしております。
(2022/09/29)