皐月。
山形市周辺で家庭菜園を手掛けている人たちにとって、4月下旬から5月中旬にかけてが「農繁期」のピークです。
ホームセンターや種苗店では、駐車場の一部まで売り場に変身。
キュウリ、ナス、トマトなど一般的な野菜から全く目にしたことの無い珍しいものまで数え切りない種類の苗が所狭しと並べられています。
大型連休中などは都会の通勤ラッシュ時のホーム並み。
身動きもままならない中で目当ての苗を片っ端から段ボールの箱に入れてはコーナーを移動。
レジの前も大行列です。
自分もその一員なのにかかわらず、ふと端の方からながめるとそのエネルギーに圧倒されそうです。
みんな立派や野菜の収穫を夢見て植え付け作業をするのでしょうね。
それに水を差すつもりはありませんが、異常気象が平年並みになるような昨今の天気ですから、果たしてどうなることやら。
4月末から連休明けにかけての気温はまさにジェットコースター並みでした。
1日の最低最高の気温差が20度前後、最高気温が真夏日に近い日が数日続く。
その後はいきなり15度未満に下がるなど、服装や暖房器具で調整できる人間でさえ体調がおかしくなるのに、動けない野菜たちが心配です。
この先一気に高温になったらそこで成長がストップする種類もあるのですから。
家庭菜園では苗を購入するだけでなく、種を蒔いて育てる野菜も結構あります。
それぞれの野菜によって発芽に適した気温があり、ポットの培養土や畑に蒔きさえすれば芽を出すものでもありません。
わが家でも、4月に播種した野菜の発芽率が悪く、早々に蒔き直しました。
気温に適応できないうちに種そのものがダメになってしまったようです。
菜園周辺で聞いてみましたが、多くの人たちが苦労しているようです。
そんな時にタマネギ高騰のニュースを耳にしました。
大生産地である北海道で、昨年夏に高温により大きな被害が出て不足していたところに、年明け後に出荷を見込んでいた九州産にも被害が出たのが原因のようです。
その上、新型コロナ対策で上海港が機能しないため中国産の輸入がままならない。
タマネギ1個が200円とか300円といった話を聞くとホントかいなと耳を疑いますが、消費者にしてみれば怒りあきらめが交差するかもしれません。
昨年はジャガイモの種芋が不足し、早々に店頭から姿を消しましたが、ことしはサツマイモの苗が極端に不足しているようです。
今度の入荷はこの日とこの日ですという張り紙を目にしましたが、開店早々にでも行かない限り入手できなかったようです。
瘦せ地でも十分育ち、長い歴史の中で幾多の日本人を飢餓から救ってきたサツマイモ。
それさえ影響を受けるようでは、この先の日本の食料はどうなってしまうのか。
ちょっと柄にもないことを考えてしまいました。
(2022/05/30)