
アジア・太平洋戦争で約230万人の軍人・軍属を喪った日本。死者の6割は戦闘ではなく戦病死による。この大量死の背景には、無理ある軍拡、「正面装備」以外の軽視、下位兵士に犠牲を強いる構造、兵士たちの生活・衣食住の無視があった。進まない機械化、パン食をめぐる精神論、先進的と言われた海軍の住環境無視……全面戦争に拡大する日中戦争以降、それらは露呈していく。本書は帝国陸海軍の歴史を追い、兵士たちの体験を通し、日本軍の本質を描く。
吉田裕:著
中央公論新社:発行
定価:990円(税込)
(情報提供:(株) 八文字屋)