如月。
「こんな冬がこれからも続くんですかね」「夏の暑さがどうなるか、いまから心配」。
こんな挨拶が繰り返された今年の冬もそろそろ終わります。
暖冬小雪でまさに記録ずくめでした。
山形市周辺では、雪景色が数回広がったものの長続きはしません。
路面の圧雪状態は何日あったでしょうか。
幹線道路では午後になると路面がもう顔を出していました。
気象庁のデータベースを見てみますと、最高気温が氷点下の真冬日は1日もありませんでした。
それより驚くのは2月中旬の最高気温です。
11日から20日までの10日間のうち7日間が2ケタで、なんと18.9度の日もありました。
2月の山形で20度近くにまでなるなど夢にも思いませんでした。
これは4月下旬の気温です。
この陽気に誘われたかのように、月半ばに山形城跡の霞城公園で梅が開花したというニュースが流れました。
例年なら4月10日ころです。
わずか数輪狂い咲きしたのでは、と物珍しさも手伝い足を運んだところ、数本の木で10輪前後ずつの白梅がしっかり開いていました。
いつもなら桜の咲く数日前にかぐわしい香りを放つのですが。
今年は桜を大きく引き離してシーズンインしたようです。
郊外のサクランボ畑では、一斉に剪定作業が始まりました。
2月中旬といえば例年ならまだ分厚い雪に閉ざされて、文字通り人っ子1人見かけない時期。
それが乾いた畑の上の脚立に登り不要な枝を切り落とす姿をあちこちで目にします。
梅の花が咲くくらいですから、サクランボの蕾も膨らみ始めたのでしょう。
剪定は樹木が冬眠から目覚める前に行うと聞いたことがありますが、その適期が早々にやってきたということでしょうか。
しかしこれから花芽にとっては大敵の霜との戦いの日々が始まります。
農家の人たちはあまり早く蕾が開かないで欲しいと願いながら剪定バサミを動かしているのかもしれません。
こうなるとお花見が待ち遠しくなります。
山形市では昨年、平年より2週間も早い3月31日に開花宣言が出されました。
雪国山形で小学校の入学式前に桜が咲くなど、驚きを通り越してあ然としたものです。
ことしは異常な暖冬小雪だからその驚きをさらに上回るのではと思いましたが、そうではないようです。
最新の山形市の開花予報をみますと、日本気象協会が4月11日、民間気象予報会社の多くが4月6日となっています。
さすがに3月中旬の花見というわけにはいかないようです。
平年より若干早いものの昨年よりは遅い、ということは3月の気温が昨年より低いということでしょうか。
異常気象を修正するために春が足踏みをしているのかもしれませんね。
2024年02月27日