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2015年6月 辻蕎麦便り

水無月。

テレビで野菜や魚の旬をテーマにしたクイズ番組をやっていました。
ハウス栽培の普及や流通分野における冷凍冷蔵技術の活用が図られる前の日本ならこれは番組として成り立たなかったでしょう。
多くの家庭の日々の食卓はほぼ地産地消型。
生鮮食品で旬以外の品が登場することなどほとんどなかったからです。
いまでは多くの野菜や果物が西から東から、そして地球の裏側からもやってきます。
山形の特産品のサクランボ。
本来の旬は6月ですが、今や年明け早々から出荷が始まり、雪道を東京に向かう時代です。

そんな中にあっても旬を失わないのが山菜です。
一部は栽培されていますが、その多くは山野に自生しているものを収穫するのですから。
山形は山菜の宝庫でもあります。
主なものをちょっとならべてみましょう。

ワラビ、ゼンマイ、ウルイ、アイコ、赤ミズ、青ミズ、タラの芽、コシアブラ、青コゴミ、赤コゴミ、ウド、木の芽(アケビの新芽)、ネマガリタケ、フキノトウ、シドケ・・

いくつくらい思い浮かべられますか。
ワラビ、ゼンマイ、ウド、フキノトウ、タラの芽などは八百屋さんやスーパーなどにも並んでいるのでお馴染みでしょうが、そのほかはちょっと見当がつかないかもしれません。

実は上に挙げた以外にもその地域ならではのものがあり、山形県内で実際に食べられている山菜の種類はかなりの数になるようです。

山菜の多くは、お浸しや胡麻和え、天ぷら、煮物などでいただきます。
山間のお蕎麦屋さんで天ぷらを注文したら、直径30㌢もあるような大皿に山盛りに出され往生したことがあります。
東京では想像できないような安い値段で。
さくっとして美味しいのですが、なんの山菜か皆目分からないのが大半でした。
「玄関を一歩出て、目の前の葉っぱを手当たり次第摘んで揚げただけだから」と地元の口さがない知人が冗談を飛ばしていました。

お薦めは山菜そばではないでしょうか。
ワラビ、ウド、フキ、ネマガリタケ、鶏肉に缶詰のナメコなどの汁におそばを入れるか、つけ汁風にしていただくのも美味しいです。
入れる山菜の種類はお好みでいろいろ変えられます。
山菜のお浸しやワラビの1本漬けなどを添えれば、まさに旬の味満載といったところでしょう。
ぜひお試し下さい。

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