「暑さ寒さも彼岸まで」。
今年ほどこの慣用句を実感させられたことはなかったかもしれません。
今夏の記録詰めの猛暑を引きずり、9月に入っても最高気温が連日30℃を超し、最低気温も22~23℃前後で推移。
しかも湿度が高いのか、空気が肌にまとわりつくようで、山形盆地の爽やかな初秋とはかけ離れたものでした。
ひょっとしたら秋を飛ばして真夏からいきなり初冬になるのではないかなどという突飛な考えが頭をかすめたりして。
それが彼岸の入りの20日以降、その直前までとは打って変わって秋めいてきました。
最高気温が25℃前後、最低気温は一気に12、13℃まで下降。
蒸し暑く寝苦しい夜を過ごしていたのに、一転して明け方などは肌寒さを覚えるほどになりました。
あまりの急変に体も容易に対応できません。1日の寒暖差がやたら大きいので、長袖か、半袖かなど衣服を選ぶのも一苦労です。
高温障害などで生育不良に見舞われていた野菜たちですが、中には気温が下がるにつれて元気を取り戻したものも。
わが菜園で目立つのがコリンキー。
山形県生まれの主に生で食べるカボチャです。
サラダや浅漬けなどにしますが、皮はきれいなレモンイエローで、さくさくとした爽やかな歯ざわりが楽しめます。
例年通り、5月の連休後に定植し順調に育っていたのですが、なぜか花芽が極端に少ないのです。
しかも受粉し果実が膨らみ始めても、大きくなる前に腐れてしまうのです。
どうやら高温で果実の細胞が痛めつけられて腐食するようです。
今年の収穫はもう無理と諦め、今月上旬にそろそろ蔓を撤去しなければと考えましたが、あまりの暑さに作業を断念。
放置したままの蔓は空きスペースで縦横に伸びていました。
ところが気温が下がりだしてからは、受粉して誕生した小さな果実が腐食することもなく、食卓にのぼるサイズに成長。
まさかこんなことになるなんて、何が幸いするか分かりません。
もっともこれは珍しいケースかも。
多くの農作物が高温、さらに地域によって極端な少雨によって大きな被害が出ているようです。
山形の秋の風物詩「日本一の芋煮会」が17日、4年ぶりに通常開催されましたが、実行委員会では材料のサトイモの調達に苦労したようです。
このイベントで提供されるサトイモは毎年、山形市総合スポーツセンター近くの畑で栽培されています。
その前を時折通り掛かるので、車中から成長ぶりを眺めていますが、今年は様子が変でした。
例年に比べて茎の背丈が短いし、葉も小さいのです。
大丈夫なのかな、と心配していたら、例年の80%ほどしか収穫できなかったとかいうことです。
結構長年にわたりここで栽培していますが、これまでこんなことは記憶にありません。
「野菜の値段が上がってきている」というニュースが目立つようになりました。
秋冬物野菜はどうなるのでしょうか。
物価高の中、これ以上、家計を直撃しないよう順調に育ってと願うしかありません。
(2023/09/29)