弥生。
雪国山形とは思えない暖かな2月中旬を過ぎたころから、いきなり季節が逆戻りしました。
いつになったら前に進むのかとイライラしながら待っていましたが、なかなか動きません。
いくら異常気象だからといって、春を飛ばして一気に初夏になるなんてことはないだろうなと思っていましたが、25日ころからようやく歩み始めました。
それにしても日々の気温の落差が激しいのには参ります。
暖冬小雪の冬もようやく幕を閉じようとしていますが、振り返りますと異変がいっぱいです。
その中で印象が強かったのが白鳥の北帰行。
例年、3月になり白い世界に稲の切り株が顔を出すと、ほどなくして山形や天童の西側の田んぼに数百羽の白鳥の群れが飛来。
優雅な姿や仕草とはかけ離れた「ギャー、ギャー」というけたたましい鳴き声をまき散らしながら落ち穂を啄ばんでいます。
田んぼの雪融けと共に北上し、この時期の風物詩になっています。
しかし今冬は1羽も目にすることなく終わりました。
もっとも連日観察している訳ではありませんし、見逃していた可能性もありますが。
あれだけの白鳥さんたちはいったいどこで越冬していたんでしょうね。
そういえば、そろそろ北帰行のニュースが流れても良いころなのにとネットで調べたところ、例年より3週間余りも早く2月中旬に庄内各地から羽ばたいていました。
彼らの一大拠点である酒田市の最上川河口などを足場に庄内平野だけでシベリア行のエネルギーを蓄えることができたので、内陸までやって来なかったということでしょうか。
それにしても、毎年、2月から3月にかけての風物詩として心待ちにしている身には寂しいシーズンでした。
わがささやかな菜園からフキノトウを摘み、フキ味噌にして早春の香りと味を楽しみました。
といっても今月の話ではなく、2月17日のことです。
やや小ぶりでしたが、10個ほどのフキノトウが頭を持ち上げていたのです。
いつもならこの時期の畑は雪に閉ざされて、白以外の色を見ることはできません。
異常気象の思いがけないプレゼントに喜びましたが、なぜかそれだけでした。
いつもなら後続部隊がやってくるのですが、全く音沙汰がありません。
まさか春本番になっても、あれだけで終わりなんてことはないでしょうね。
全国でも有数の豪雪地の月山スキー場に通じる県道の除雪作業が11日から始まりました。
スキー場は4月12日のオープンを目指し、6台の除雪車などが急ピッチで作業をしています。
周辺の積雪は約6㍍で、例年より2㍍ほど少ないということです。
雪の多い年は7月、8月の猛暑でも雪渓で雪遊びが出来ますが、果たして今年はどうなっているのでしょうか。
(2024/03/30 辻蕎麦便り)