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木造住宅と景観設備
金山町の風景 国道13号線を北進し、新庄市と金山町の境である上台峠を越えると、突然に視界が開け、金山町の風景が広がる。
 整然とつづく緑の田園、彬と白壁を基調とした町並み、色あざやかな錦鯉があそぶ清く澄んだ石積みの水路。それらやさしい眺めは、いつか心の奥底にしまい込んだ、センチメンタルな郷愁や浪漫をかきたててくれる。
 明治の時代に、英国人イザベラ・バード女史が日本の奥地 (東北・北海道)を旅し、その書簡のなかで 「ロマンチックな雰囲気の場所である」(『日本奥地紀行』平凡社刊)と称賛した金山町の風情は現在も変わっていない。
 切り妻の屋根に木組みの柱と白壁、下見板張りといった木造家屋の家並みが、町内を巡る水路や周囲の山々の緑と調和し、町の特徴的な景観として、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
 だが、このような町並みも一朝山夕にできたわけではない。
 昭和50年代の初め頃には、建築メーカーのプレハブ工法などの進出により、町の風土や環境に馴染まない家並みが目立つようになり、ふるさとの良さが失われかけようとしていた。そのため、町では先人が伝えてくれた金山らしい文化、自然を生かした地域の活性化への意識が高まり、景観を生かした施策が行われるようになってきた。昭和59年に策定された「新金山基本構想」の中の 「街並み(景観)づくり百年運動」と称する町づくりである。
 この町づくりでは、目標として

●人間と自然とのかかわりづくり、さらには人間と自然の調和づくりを推進すること

●美しい町並みの形成と地域の個性化を推進すること

●地域風土、地域材、在来工法など、杉を中心とした地域資源の有機的結合を図ること

を掲げている。林業の町として知られるようになった金山町が、美しい町並みをつくり出すことにより、地域の林業と大工さんをはじめとする職人といった資源を活性化し、地域振興の一助にしようとする試みである。具体的には『町を金山杉、金山住宅のショーウインドーに!』というキャッチフレーズのもと、特産の杉を使った木造住宅の普及を中心に、町民の方々の積極的な参加により町の景観づくりを進めていこうとするものである。

 金山町の景観にこだわった町づくりは、昭和38年に岸英一(故人)元町長が提唱した「全町美化運動」を起点とするが、その後、昭和53年からは木造住宅の普及や大工技術の向上を目指した「金山町住宅建築コンクール」が実施され、昭和59年には地域の気候風土にあつた住宅景観の創造を進めた「金山町地域住宅計画 (HOPE計画)」を策定し、在来工法を中心に切り妻屋根に木組みの柱と白壁作りといった「金山型住宅」の様式を企画・開発、体系化した。
 さらに、景観づくりをより実効性の高いものにするために、昭和61年度には 「金山町街並み景観条例」 を制定し、建築物や工作物に対する形成基準を設けるなど、助言や指導、援助体制を整えてきた。
 「金山町街並み景観条例」には罰則規定が設けられていない。これは、町づくりを行政が規制規則で進めるのではなく、あくまでも住民が主役であり、行政と住民の連携と協調、信頼のなかで町づくりを目指すべきであるとの考えに基づいている。
 景観条例ではさらに、金山町街並み形成基準に合致した建築をすれば、最大50万円の助成金を差し上げる助成制度を設けており、平成10年度までの累計利用件数は333件を数えている。
 金山の町づくりの最大の特徴は、住民生活と景観づくりが一体となっている点であり、「景観とは、個人の所有に帰属するものではなく、企共的なものである」という『景観公有論』を前提としている。また、美しい景観とは、個々のものをある基準に基づいて統一的に整備し、全体として風景と調和の取れた美しい景観を指している。しかも、景観といえども見た目の美しさだけではなく、その内容が、生活する上で快適でなければならない。さらに、景観づくりは、住民の高い意識と自主的な精碑に基づいて行われる住民運動としての側面を有しており、その真髄は、まさに町づくりに直結するものである。木造家屋の家並み
 金山町には、観光資源となるような歴史的資源が集中的に多く残されているわけではない。ましてや、この町の景観づくりは、文化財の保全や観光振興を目的としたものでもない。金山町の景観形成の特徴は、あくまでも「金山杉」「木造住宅」の普及拡大という地域固有の産業振興と文化形成を一体化しながら、住宅を中心とした「金山型住宅」のスタイルを創造し、町全体の建築物の質的向上を図るという、町の持つ「地」としての景観形成を行ってきたことである。
 最近では、他の町と比較しても町並みが整ってきたことから、地域住民にも、「美しい景観づくりは、町づくりの特徴的な施策」として理解されてきており、達造物の新築や増改築、地域内の環境整備において風景と調和した景観を意識するようになつてきている。
 また、地元の建築関係者 (大工・工務店・設計士等) においても、美しい町づくりの取り組みは好意的に受け止められており、資金や施主の意向等との関係はあるにしても、理解と協力を得ている。
 毎年、視察に訪れる方々は増えているものの、当町の本格的な美しい景観づくりは始まったばかりである。今後は町の「地」である素材を生かした整備から、互いの関係性や調和を重視した「図」としての整備への発展をはかり、竜線の地中化などを主体とした、家並みと一体となった通りの景観というものを創造していきたい。
 美しい町づくりは、「終わりのない施策」であり、時代の変遷に伴う価値観の変化や、景観施策における利害関係、罰則規定のない観条例の有名無実化への対応等の課題を解決しながら、町民の方々が、金山に住んで良かったと思えることを前提に、根気強く取り組んでいかなければならない。
美しい風景の継承 金山では、豊かな山々(自然)と澄んだ水、人々を育ててきたすばらしい田園や白壁の町並みが悠々と大地に映えている。昭和30年代から始まった美しい町づくりも、ようやくここにきて、その姿が少しずつ見えはじめてきている。
 風景とは、時代とともに進歩するものであり、人間の力によって良くも悪くも制御できものである。今こそ、次代の子供たちに美しい風景を継承するために、何が必要で、何に価値があるのかを見極めなければならない。
 
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西田 徹西田 徹
 
1955年山形県金山町生まれ
1995年から町中心部の景観形成事業に従事した
http://www.town.kaneyama.yamagata.jp/
 
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