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Mr.e-yama
photographed.




 平成11年12月、山形新幹線が天童、さくらんぼ東根、村山、大石田の各駅を経て新庄駅まで延伸され、山形県北部と東京は最短3時間強で結ばれ、交通不便地域と言われた尾花沢の経済発展に対し最高の支援材料となった。

 延伸当初は、採算性に疑問符もついたらしいが、現在となっては「温泉」「そば」「舟下り」などで、旅情を誘い、特に銀山温泉はテレビなどの観光番組等で再三取り上げられ、大正ロマンあふれる温泉場として一躍有名となり、常に観光客でにぎわっている。

カフェレストランすぃ〜とぴぃオーナー。
昭和26年4月21日生まれ。
尾花沢市在住。
昭和63年12月より尾花沢市でカフェレストランすぃ〜とぴぃを経営。

加藤 一男
Kazuo Katou
すぃ〜とぴぃ

  尾花沢市の基幹産業は農業で、食物自給力の高い土地柄である。私は、父と共に農作業に精を出していた時から、この壮大な自然の中で田畑を耕し、自家栽培野菜をふんだんに使った料理を作り、できることならばお店を持ちたいと思っていた。

 一度はタクシー運転手として料理人とは全く別の道を歩むが、あることをキッカケに料理人としての夢を思い起こすこととなった。タクシー運転手として銀山温泉へ向かう途中、尾花沢の大自然に感動する観光客の姿があった。それを目にした時、あの幼少期の夢が自分の中に沸々と湧き上がってくるのが分かった。

 私は思いついたことはすぐ行動に移さないとダメな性分で、すぐに飲食店経営に向け行動を開始し、尾花沢市にカフェレストランすぃ〜とぴぃをオープンさせた。昨今の健康ブームを先取る16年前のことである。開店当初から、環境に恵まれた自然の中で伸び伸びと育つ新鮮な地元食材と、自家栽培野菜を大切に使い、他では絶対に味わえないメニューにこだわりを持ち続けてきた。

スイカを練りこんだパスタ
 お店を持つという夢がかない、次の夢として、夏の果物の王様、尾花沢スイカを一年中お客さまに味わってもらいたいと思うようになった。ジャムやドリンクなどのデザート類では当たり前すぎる。

 思考錯誤の末、スイカを練りこんだパスタ、スイカの皮をシロップ漬けしたナタデココの食感に近づけたものなどを開発、OBANE・DON(スイカの丼)や、スイカのフルコースなど、他店とは一味も二味も違うメニューを出すようになった。
 地元の人には、果物として十分美味しいスイカを、わざわざ加工してまで食べなくてもいいと酷評を受けたが、遠くから訪れる人々には大変好評だった。こうして、尾花沢スイカは夏限定の果物ではなく、一年中味わえるものとなった。これら加工品に対するお客さまからの反応のよさに、今度は、スイカの魅力がギッシリ詰まった加工品ギフトを作りたい、それを尾花沢の新しい特産品にはできないものかと考えるようになった。

 まず、スイカの健康効果の調査から開始した。化学技術庁資源調査会に依頼し、果実、皮、種、スイカのすべてにおいて栄養分析を行った。本来、私たち人間の口に入るのは、赤い果肉部分だけであるが、可食部以外にも、種には解熱作用と利尿作用、皮にはコレステロールの減少作用と血管拡張作用の他、美白効果があるなど、スイカの全てに薬効があることが認められた。

 スイカは大部分(90%以上)が水分で、可食部は約66%あり、そのうち92%が果汁で、4〜6%が糖分である。糖分の内容は、ブドウ糖1.57%、果糖5.03%、しょ糖0.98%で、大部分が還元糖(ビタミンCの酸化破壊を防ぐ力のある糖)である。カリウムを多く含んでいるため、体内の過剰な塩分を排出する作用があり、果糖は二日酔いなどに力を発揮する。その他、アミノ酸、ビタミン類、カロチン、リンゴ酸等が含まれている。
 スイカの赤い色は、リコピンとカロチンの混合物である。リコピンはベータカロチンと同種類の栄養素で、ガン抑制作用や活性酸素の消去、抗酸化作用などのパワーがある。カリウム、リン、マグネシウムなど、ミネラル成分の割合は市販のスポーツドリンクと大差なく、シトルリン(アミノ酸の一種)はスイカ以外の果実にはほとんど含まれていない。

 また、過酸化脂質の生成を抑えるグルタチオンが多く含まれ、白内障などの予防にも効果がある。スイカがこれほどまでの栄養素を含む事実はあまり知られておらず、規格外のスイカや幼果期の摘果物は廃棄処分にされてきた。スイカの加工品開発は、これら摘果物等の有効利用もでき一石二鳥であった。

尾花沢スイカ
 試作段階で一番苦労した点は、いかにスイカ独特の青臭さを消すかであった。これは熱を加えることで解決したのだが、強火でむやみに熱を加えたのでは、食感が台無しになってしまったり、砂糖を多量に加えたものはすぐに焦げ付いてしまう。また、すいがん糖を作るためには、一日中なべをかき回す必要があり、かなりの重労働であった。そのような努力が実を結び、スイカを全く余すことのない、以下のような5つの加工品が生まれた。

スイカを使ったこだわりギフト
「スイカの泪(なだ)」
アロエと同じ成分で、飲料水でありながら化粧水としても使えるスイカのジュース
「スイ果肉ソース」
トマトの1.5倍以上のリコピン、カリウムいっぱいの果肉ソース
「西瓜の旨み焼き肉たれ&ドレッシング」
スイカを使った焼き肉のタレ・ドレッシングソース
「スイカまるごとすいがん糖」
スイカの栄養素を凝縮したスイカ糖
「スイカデココ」
前出のスイカの皮のシロップ漬
 特に商品のネーミングにこだわり、遊び心のあふれるものにした。瓶のラベルは友人のスケッチを基に作成するなど、多くの人からアドバイスなど協力を受け、構想から一年でようやく商品化までたどり着いた。

 すいがん糖はテレビでも取り上げられ、「無添加」「手作り」に健康志向ブームがプラスに作用し、他県からも商品に対する問い合わせも多数寄せられた。90gのスイカ糖を抽出するのに、3kgのスイカ3個を必要とするぜいたくな加工品で、大量生産の出来ないこだわりの逸品と認識され、現在も人気を集めている。

 私は、食の基本に忠実に、しかも「安全・安心」のこだわりをもって自然の恵みを生かした加工品作りをし、少しでも地域の活性化に貢献したい。このようなこだわりを幅広く知ってもらうため、新聞、テレビをはじめ、各種イベントに積極的に参加している。

 心の開拓が必要な時代、尾花沢のような農村部には心を改善させる力がある。まず、日本一のスイカを宣伝することで、他にもたくさんある尾花沢の魅力を知ってもらい、都会人の心のふる里にする努力をしたいと思っている。
 【出典:「Future SIGHT26号」(2004年秋 発行)】
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