い〜山形どっとこむTOPへ やまがたの暮らしまるごと応援サイト 「い〜山形どっとこむ」
|インフォメーション |サイト利用規程 |
e-yamagata e-住まいづくり ライフスタイル コミュニティ サイトマップ メルマガ登録 メンバー募集 初めての方へ

コミュニティ
> ぷらっとフォーム > デジタル射撃で地域を世界に発信


やまがた便利帳
 
ぷらっとフォーム
 
新!い〜やまがた発見!体験記
 
い〜やまがた発見! 体験記
 
街かど工房
 
アルカディア街道
 
Shonai
Value station


e-yamagata.com編集部のスタッフが撮影しています
Mr.e-yama
photographed.


デジタル射撃で地域を世界に発信

 1997年海抜2000メートルの高地にあるブルガリアのナショナルトレーニングセンターにフィジカルトレーニングの目的で20日程選手と一緒に滞在した。景色や空気がよい事以上に驚いたのは、そこで出される食事のレベルの高さである。トレーニングセンターのそばに牛、羊、ヤギの畜舎があり、そこで搾乳した新鮮な乳をヨーグルトやチーズに加工して提供する。野菜や果物も無農薬有機栽培されたもので体に良い物だけを食べさせる狙いがはっきり読み取れた。おかげで高地トレーニングの割に体に疲れがたまらず、おなかの調子もすこぶる良好で、最高の集中力が得られて良い練習が出来た。

 帰国後、日本でも自然に恵まれ優れた食材が近くにあるフィジカルトレーニングに適した場所を探し始めた。そんな折、当時JOC(日本オリンピック委員会)副会長を務められていたメルボルンオリンピックの金メダリスト笹原正三氏が紹介してくださったのが米沢駅から30分ほどの川西町にあるサンマリーナ玉庭であった。

 立派な体育館もさることながら、われわれにとっての魅力は天然温泉と温水プール、そして夏はゴルフ場での早朝ウォーキングに、冬はスキーと、選手は都会の雑音から遠ざかって豊かな自然の中で心身ともに鍛えることが出来た。
  
デジタルスポーツ射撃連盟理事長。
社団法人日本ライフル射撃協会常務理事。
1948年8月20日生まれ 広島市出身。
早稲田大学商学部卒業。大学2年に全日本学生選手権ライフル優勝。翌年に西ドイツの射撃学校へ留学。日本選手権300m大口径ライフルでは優勝3回。1996年アトランタオリンピックに日本チームピストルコーチとして参加。1998年JOC専任コーチに。1999年より社団法人日本ライフル射撃協会理事、選手強化委員長、2000年シドニーオリンピック日本チーム監督。2002年アジア大会(釜山)日本チーム監督。現在、2004年アテネオリンピックに向けて、選手強化に取り組む。
著書:「メンタル マネージメント ー勝つことの秘訣ー」(ラニー・バッシャム共著・星雲社)

藤井 優
masaru fujii
デジタルスポーツ射撃連盟
(理事長)
デジタルスポーツ射撃連盟 

 シドニーオリンピックに向けて、優れた食材を使った選手に良い食べ物の研究も始めた。米をはじめ野菜、果物も無農薬の有機栽培のものを求めたが、それらの多くは近くの高畠町の農産物で賄うことが出来た。

 射撃競技はプレッシャーのかかるオリンピックの中でも最も精神のコントロールと集中力が必要な種目のひとつであり、栄養面の管理は欠かせない要素である。また、現在精密射撃は集中力強化訓練の手段として注目されており、スウェーデンではパソコンで銃の動きを見るために開発されたシミュレーターを、子供の集中力強化や交通事故で腕を切断した人の縫合手術後のリハビリにも使っている。
 しかし、銃刀法の緩やかであった欧米でも近年は監視が厳しくなっており、射撃競技の普及、発展の障害になっている。加えて鉛を発射することで環境への影響を心配する動きが世界中に広がり、わが国でもいくつかの県営の射撃場が閉鎖されて選手の練習に支障をきたしている。

 こうした状況の中、いずれは弾を使わない精密かつ正確で国際試合のレベルに使用しうるIT技術を使った射撃競技が、日本だけでなく外国でも普及してくる事は必至である。インターネットでも試合をすることが出来れば居ながらにして国際試合に参加でき、体は国内にあっても感覚は国際的になり、それに参加する人たちが世界的な視野を持つことも可能となる。

 こうした我々の想いは、NEC米沢(現在のNECパーソナルプロダクツ)の社員の方々の知るところとなり、同社と社団法人日本ライフル射撃協会で、コンピューター技術を使った世界最高のデジタルスポーツ射撃システムを製品化しょうということになった。
高畠町青年会議所主催のJCカレッジ風景  開発の試作投階から、デジタルスポーツピストルを使って高畠町の和田小学校での部活として半年間にわたり射撃競技を指導したり、特別養護老人ホームを訪問して射撃指導もしたが、いずれも 「集中出来るようになった」「勉強に役立っている」「面白い」など、心励まされる声をいただいている。

 さらに、今年の4月から高畠町の青年会議所の主催で、この射撃システムをメインにした集中力養成講座(JCカレッジ)を8月まで延べ8回開健した。小学2年生から高校生まで40人を対象にしたプログラムであったが、途中ブルガリアのドウシヤノフコーチが見学に訪れるなど、多くの人の協力を得て大成功裏に終わることが出来た。この模様は、共同通信の記事として配信され、9月になって日本各地の新聞に掲載されている。
 フィンランドのラーティで開かれた射撃の世界選手権には、NECが3人のスタッフを送り込み、私が交渉して1週間借り切ったホテルの会議室に3台のデジタル射撃システムを置き、連夜世界の射撃関係者に披露した。関係者は皆、完成度の高さに驚き、オイルマネーが潤沢なサウジアラビアは値段も開かずマスターカードですぐに買おうとした。

 今年の春から、JR高畠駅の東100メートルの交通至便な場所に、町の開発公社が所有している工場跡を借り受け、デジタルスポーツ射撃連盟の事務所兼練習場を開設し、一般にも開放している。建物の外観は、駅舎など周辺の景観にマッチする色合いに変え、内部は身障者などの利用も考えトイレは車椅子でも利用できるように改造した。事務所部分の壁紙は環境問題への関心が高いケナフの会の人たちに協力する意味合いもあり割高ではあったがケナフで作った物を使用した。

 射撃場の厨房では消化、吸収が良くスムーズな排泄を可能にする安全で体に良い料理を、オリンピックにも同行したスタッフが作ってくれる。米を始めとする食材の多くはブルガリアにも負けない世界最高レベルの地元の有機農産物である。もともと高畠町には有機農業に関心の高い菊地良一氏をはじめとした農家のネットワークがあり、彼らの協力は、われわれにとって欠かすことの出来ない貴重な存在になっている。

 食の安全に関心が高まる昨今、以前から食の安全はもとより味にもめっぽううるさいと地元でも有名になっていた私のところに、安全でおいしい料理を提供したいので意見を聞かせてくれという人たちが事務所(射撃場)によく来られるようになった。


 最近では米織観光センターという大きな観光ドライブインでも、私の話を参考に、日本短角牛を使用した新たなメニューの準備を進めているとのことである。

 地元の志ある人たちとの出会いによって、デジタルスポーツ射撃の事務所兼射撃場は、有機農業、環境問題、観光などいろいろな形で地域とのかかわりができあがってきた。

 これから世界と戦って日本がオリンピックでメダルを獲るには、銃刀法が厳しいから勝てないとか、社会が射撃スポーツに理解が無いなどと愚痴を言っても始まらない。自分たちの携わるスポーツで何をすれば世の中の役に立つかを考え、その後で必要なサポートを社会にしてもらうような工夫をすればよい。

 この地域の人たちと共に、これからも、地球的な規模で考え、ローカルに行動して、世界に発信できるものをはぐくんでいきたい。

 【出典:「Future SIGHT18号」(2002年10月発行)】

時代の変化に素早く対応 地域挙げ支援、藤沢文学の映画化

e-yamagataトップページに戻る