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> ぷらっとフォーム > 大自然の中の道場「冒険学校」


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Mr.e-yama
photographed.




 アースアカデミー大場満郎冒険学校は、来年(2001年)4月本格的にスタートする。


 この拠点となるのは、最上町の前森高原であり、奥羽山脈を背景に、200ヘクタールという広大な草原が広がる大自然のまっただ中にある。最上町では、前森高原の中に学校の拠点となる施設を今建設中であり、来春の4月に完成、私にその管理運営を任せてくれることになっている。

 冒険学校では、農業体験とサバイバル体験を通して、自然と人々のかかわり方、また、生命の大切さなどを学び、心豊かな人間性の回復を目指すのであり、誰でも参加できる場にしたい。老若男女、さまざまな人々に、今まで私が体験した諸々の事柄を伝え、また、訪れた方々が体験活動を通じて生きるカを取り戻し、元気になっていただくことを、学校の目標に掲げている。

 社会情勢の変化とともに、人々の価値観も多様化し、今までの常識では考えられない驚くような時代を迎えている。連日のように、テレビ、新聞等マスコミを賑わす青少年の犯罪や学級崩壊・学校崩壊、企業倒産による失業、そして自殺、また高齢化社会の到来で介護保険がクローズアップされるなど、子供からお年寄りまで、自立心を持ち社会に適合して生きる術を忘れた感がある。この現象は、有り余るモノに囲まれ何不自由のない過保護な社会の落とし子ともいえる。人間は自然の一部であることを認識し、自然と調和しながら、周囲の人々との協調を保ち、各自が積極的に社会とかかわる姿勢が必要である。私は、自分なりに2年前から最上町を舞台にさまざまな活動を展開している。
1953年、最上町生まれ。
中学生の頃、鷹匠の沓沢朝治に弟子入り。山形県立農業経営研修所を卒業後、農業に従事する。
父の急逝のため20歳で家業を継ぐ。’82年家族と衝突し家を出てから、世界各地での冒険に挑戦し、’97年には4度目の挑戦で世界初の北極海単独横断に成功。
’98年から’99年にかけて南極大陸単独徒歩横断。2000年6月、第4回植村直己冒険賞受賞

大場 満郎

mitsurou ooba

 
 1998年には、東京の都会っ子を対象に、最上町の小学生と共に無農薬米の栽培に取り組んだ。素足で苗を植え、田んぼの草をむしり、手鎌での稲刈りと杭掛け作業、そして、12月には収穫祭と、4回足を運んでもらい、一貫して稲の栽培に取り組んでもらったのである。半年かけての大変な農作業の末、土・水・空気・お日様の恵みにより、初めてご飯が茶碗に盛られるということを、身をもって体験したのである。だから、当然、食べ物を粗末にしなくなるし、作物を育てる楽しみも肌で実感することになる。そして、始めて見たホタルに感動したり、登山、川遊びと、自然の息吹を全身で受け止め、元気あふれる顔で子どもたちは帰っていったのである。
 さらに、冬には親子で、イヌイットの家、イグルーづくりに挑戦し、その雪の家で寝袋にもぐり、夜を過ごす体験もした。はじめは凍死の不安を感じ心配顔でいたのが、意外な雪の中の暖かさを知り、自然は、厳しさの中にやさしさも併せもつ事を学び、また親子の対話もでき、とても有意義な時間を過ごすことができたのである。

 今年の4月には、学生など若者と一緒に、北磁極歩行700キロメートルの旅を行った。まったくの素人が315日間かけて、北極の海水上のマイナス30度の中を歩き通したのである。自分に自信を持てないでいる者、何をしたらよいのか目標を見つけられないでいる若者たちが、この旅を通して自分探しに出かけたのである。

ずぶの素人を自然環境の厳しい極地に連れて行くのは危険であり、無謀だという声もあったが、極地に適合した防寒着や食料、装備類を備え、適切な指導者のもとでの行動なら特に問題はない、と判断し決行したのである。極地の自然は厳しく、判断ミスや油断は非常に危険で、従って、生命の尊さ、はかなさが実感できるのである。見栄や勝りは通じなく、常に謙虚、畏怖、感謝の念を忘れず、冷静な気持ちを必要とする場所であるし、また、通常の状況下では眠っている思考力、判断力、生命力というものが、極端に目覚め、本来の人間性が呼び戻せる環境下でもある。
 旅の始めは余裕のなかった若者たちも、次第に自然に慣れ親しみ、無事に北磁極に到達する頃には、自分自身を褒めているような輝く笑顔になっていたのである。これらの体験は、今後の彼らの人生に大きな自信と勇気を与えてくれると思われる。やはり人間は、自然に囲まれ、自然に学び生かされている事を、各自が再認識する必要があると思うのである。

 振り返れば、山形は、豊かな自然の宝庫である。四季折々の美しい山々、水量が豊かな河川、美しい田園風景、段々畑、そこに住む多くの野鳥中野生の獣類、アケビ、栗、キノコ、ワラビ、ゼンマイ、その他諸々の山菜類、そして、素朴で心やさしい人々が自然と一体になって生きている。この山形の環境こそ、そっくり教育の場でもあり、人間らしく生きられる最適な住環境であろう。最上町の前森高原は、広々とした空間を持ち、さまざまな体験ができる場を有し、乗馬、陶芸、キャンプ、そば打ち体験、登山、沢歩きのほか、牛の世話から養鶏、さらに、畑仕事や米作りと、あらゆる農作業の体験が可能である。

 冒険学校では、この前森高原に全国各地からさまざまな人々を呼び、また、海外からも参加していただき、皆一緒に活動する中で、グローバル的視野で物事を考え行動できる人間教育の場にしていきたいと思っている。地元の人々も1人ひとりが先生の役割を果たし、各自の専門分野を訪れた方々に伝えれば生きた教育となり、生活にも潤いと張りが生じ、人生に豊かさを感じられるものと思われる。子供からお年寄りまでが一緒になって、働き、遊び、学び、生活する空間の創造、これこそ21世紀に生きる日本人が目指す社会であろうと思うし、冒険学校がその礎となる取り組みをしていこうと考えている。
【出典:「Future SIGHT11号」(2000年冬 発行)】
地域活性化は黒川能小面づくりから

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