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> ぷらっとフォーム > 地域活性化は黒川能小面づくりから


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  日本の伝統的な文化の多くは、地方に残っているといわれているように、わが町にも日本を代表する民俗芸能黒川能がある。
500年という長きにわたり日本に誇る歴史的文化遺産と評される農民芙能が連綿と受け継がれてきた信じられない現実が、今、日本人の心を魅了して止まないのはなぜだろう。

 「古き良き文化を大切に」と安易に使うことがあるが、この言葉にこめられた先人たちの努力と労苦を思うとき、私はいつも人間としての本質を垣間みる思いがする。


1945年11月23日、黒川能の里、櫛引町黒川生まれ
1962年に開業した事業を引継現在に至る。
村おこし事業に活躍、様々な商品開発等に取り組んでいる。

遠藤 甚一
kanichi endou
株式会社 ミロク 代表取締役

 
 黒川能は、宇宙の片隅で小さい農耕を基盤とした農民が五穀豊穣への祈りを込めた一途な思いで謡い継ぎ、語り継ぎ、手から手に、心から心に伝え、住み継いできた大地の民の暮らしそのものである。黒川の人たちの一年は王祇祭のためにあると言っても過言ではなく、例年、雪がちらつく頃になると準備に追われ、祭当日に向けての慌ただしい日々を過ごすことになる。王祇祭がはじまると祭独特の華やいだ雰囲気に包まれ、朗々と響きわたる謡、蝋燭の炎が揺れる中、人々は神と一夜を共にする。

 人それぞれの価値観は異なるが、生活環境の変化と農業低迷の根底に広がる数々の問題点をかかえながらも、この膨大な地域遺産を後世に受け継ぐためのさまざまな場面に町民の1人として参加できれば望外の喜びである。

 また、黒川能という民俗文化を学び、そこで暮らす人々の生活や伝統に触れ、いつの時も語り継がれていく話題性に富んだ黒川能の未来にむかって、多くの町民が参画し情報発信による伝承につなげようと、櫛引町商工会が企画した地域産業人材育成指導事業の一環として伝統工芸品開発グループが発足。異業種の経営資源を活用して新分野への挑戦と事業展開を繰り返し、黒川能小面をコンパクトにした地元工芸品を共同開発することができた。

 外貌は不揃いにみえる五つの事業所が勇気ある結合と積極的に技能技術を醸成した結果創出さ軌た黒川飴小面を櫛引町の顔となるように研錆を積み、黒川能に生きる人々と共に地域の活性化と町民が潤う町づくりへと事業展開を拡大していくことを目的としている。

 どんな時代がこようと、断固として変わることなく伝承されてきたたぐいまれな黒川の祭りは、人が最も人らしく生きてきたことを物語り、親から子へ、子から孫へと脈々と響きあう不思議なパワーを発信している。高度成長と共に、日本人が置き去りにしてきた人思いやる心を美的作法が黒川能を通して取り戻すことができるのも魅力のひとつ。つい先頃、フラメンコの国スペインから10名の来客を迎えた。日本の空手道の親善に訪れたというのですが、私たちが忘れかけていた作法を日常生活の中に組み入れているのに驚かされ以外な一面をみた。日本の文化を遠く離れた国の人たちが何気ないしぐさの中にしっかりと定着させている姿を目の当たりして、目から鱗が落ちる思いがした。
 先人たちによって受け継がれてきたこの農民芸能から、今、私たちが学ぶべきものは計り知れないほど大きい。自分たちの生まれ育った村を、町を誇りとし、この土地に根づく文化や芸能、衣食住のすべてを暮らしの中に融合させる素晴らしさと喜びを、家族で、地域で味わうことの意義深さを、私たちが率先して実践しなければと今になつて痛感している。そのためにも、多様化する現代に重くのしかかる問題を確かな視点でみつめ、古来からの常識に新しい風を織り込みながら個々の力量を存分に発揮できる場の提供と仲間づくりに取り組み、古き良き伝統を受け継ぎながら日本の故郷像を創りあげ櫛引町から全国に発信していきたい。
 さらに今後の方針として、本物嗜好や余暇時間の増大等とも相まって、神々しい春日神社周辺を拠点とした 「杜」構想の中で、日本人の原風景を原点にした体験型資源活用を展開し、子どもから大人までが、気軽に能楽を語り親しむことのできるような環境の中で、能装束や面に触れ、機織体験や面の絵付け、キーホルダーづくり、また、古典切布や和紙による能人形の創作活動をはじめ、静寂の春日の杜に身を置き朗々と謡を学び、小鼓の音に酔いしれる学習活動等も組みれながら、地域の人たちを講師にした交流を深めて、土地に根づく文化や暮らしを徐々に理解していただくことが町の活性化につながり、しいては特産品の販売にも結びついていくものと思われる。

 また、多くの町民が特技とするいろいろな知識や技をネットワークに生かし、若い世代を巻き込みながら、より発展性のある第2、第3のものづくりを提案していき、後継者の育成にも力を注ぎながら自由に参画できるシステムになるよう工房の扉を全開していく考えである。
 異業種という個々の職業を持ちながら、あえて挑戦したこの伝統工芸品開発グループは、本業の職務の治間を縫うようにして不慣れな工程を懸命に辿りながら確かな足がかりを築くための土台づくりに全力投球で臨んでいる。

 光輝く21世紀を目指して、黒川能という地域遺産を背景に、より身近なところで楽しみながら学べる空間づくりを具現化し、豊かな精神文化を育みながら、将来は一つの企業として成り立つ経営で、しかも能役者が安心して能を受け継ぎながら働ける場所として発展していかなければならない。そのためにも、黒川の人々が積極的にこの事業に参加し、技術向上のためにアドバイスや指導、企画から労力面に絶大な理解とご支援をいただけるよう強く望んでいる。
【出典:「Future SIGHT10号」(2000年秋 発行)】

県民みんなで美しい最上川を次世代へ

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