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Mr.e-yama
photographed.





 山々の新緑を映して、青々と流れる春の最上川。
俳聖松尾芭蕪が、『暑き日を海に入れたり最上川』と感嘆した、真っ赤な夕日がドラマティックな
夏の最上川。そして錦秋の最上川から、墨絵を彷彿とさせる厳寒の最上川へ。
四季折々、美しい姿を見せてくれる山形県の母なる川、最上川は229キロメートルの流れの果てに、日本海へと注ぐ。

その河口に開けた港町、酒田に住む私は、豊かな水の恵みを受けて暮らしてきた。しかしながら十数年前Uターンし、地元の良さを内外に発信したいとの思いで、地域紙「ナイスさかた」を創刊したが、その取材の中で、「最近は、魚がめっきり少なくなった」という漁師さんの嘆きや海洋汚染の話を聞き、以前のように川や潅は必ずしも良い状況にないことを知った。なかでも、魚が捕れなくなつたという漁師さんのコメントには、危機感を覚えた。


 酒田の春は、雪解け水の渾流でふれかえる最上川へ、(日本海からの)川マスの遡上で始まる。
その脂がのった川マスの美味しさは、長い冬を耐えて耐えて、ひたすら待ちわびた春への歓喜の証に外ならない。






酒田市生まれ映画製作会社勤務を経て、故郷へUターンし、1984年「ナイスさかた」を創刊、現在に至る
みんなでつくろう最上川環境マップ代表、県民ネット最上川会員、特定非営利法人水環境ネット東北会員

設楽 京子
kyouko shitara

地域紙
「ナイスさかた」
編集長





 
そして、川面に一筋の帯をなしてやってくる夏のゴリ漁、鳥海おろしの零さとともに始まる豪快な秋鮭漁、寒風をついてのヤツメ漁など、私たちの暮らしは四季折々、豊かな川の恵みとともにあった。しかし川漁の不振は、季節の風物詩となっている地域の食文化や、培ってきた伝統の漁法継承にも陰りを落とし、今や最上川独特の川文化は風前の灯となりつつある。

 振り返って見ると、近年私たち自身、川や水辺に行く機会が、目に見えて少なくなった。
数年前、最上川中流域を久々にカヌーで下った時、目にした光景は、河畔林にからまった農業用資材のどこ−ルのゴミ、水田から流れ落ちる農業排水、幾百となく繋がる支流から流れてくる生活雑排水など美しい最上川とは似ても似つかぬ惨憺たるものであった。
最上川は、言葉を失い、語らずして悲鳴を上げているようにさえ思えた。そんな思いを抱いていたとき、期せずして最上川流域の長井・村山・新庄・酒田の四地点で、山形県の母なる川、最上川を語りあおうという呼びかけが起こった。

 それを受けて河口の酒田では、川から遠ざかった私たちが、もう一度生活者の視点で川を見つめ直し、川の叫びに耳を傾けてみよう!
そして、川とともにある暮らしを取り戻すために、私たちに今、何ができるかを考えようということになった。そこで、川や水辺の調査活動をライフワークにしている人たち、昔の川ガキを中心に、川観察会の方法を話し合ううちに、魚の目線、子どもの目線で考えることの重要さを再認識した。

 川遊びをしなくなった子どもたちを、川へ呼び戻し、川の楽しさと怖さを伝えることも大切ではないかと、親子参加を呼び掛けて、1998年7月27日、第1回「みんなでつくろう最上川環境マップ」を実施した。実施にあたっては、川の漁師さん、地域の女性ボランティアグループ、小・高校の先生、河川管理者などさまざまの方々の協力をいただき、同時に官民のパートナーシップのあり方の模索も始めた。
 参加した子どもたちは、小学校4〜6年生、50名程。大人のスタッフを入れると100人近い規模になり、準備にテンヤワンヤ、嬉しい悲鳴となった。水生生物・昆虫・植物・魚・水辺の鳥の5つのコースに分かれて、早速、川へ出掛けると、川遊びを手放しで喜ぶ子、水生生物などの採集に熱中する子、漁師さんの打つ投網に喚声をあげる子、川船に乗り童心に帰るボランティアのお母さんたち。水辺がもつ不思議な魅力に、大人も子どもも心が和んだ。また、この日の観察では、二人の小学生が希少種を発見するなど、大人顔負けの観察眼に、参加者から感嘆の声が上がった。
半面、「最上川が汚れていることを初めて知った」「川をきれいにする活動から始めたい」など、子どもたちの純真な驚きや発見は、本質を鋭く突いていた。その子どもたちの発見や提言を多くの市民に伝え、水環境について考える動機づくりにできないかと、参加者全員で『最上川環境マップ』をまとめた。終了後、参加者のはとんどの人から、「川は楽しい」という感想をいただき、継続活動としていくことを確認しあった。

 第2回目の昨年は、河口から30キロメートル程潮った立谷沢川との合流点に、会場を移動した。
参加呼び掛けも、河口の酒田市だけにとどまらず、立川町、中流域の新庄市の子どもたちまで範囲を広げ、流域の連携、Face To Faceののコミュニケーションをはかった。そして、第3回目の今夏は、3月にオランダのハーグで開かれた世界水フォーラム関連の子ども交流会「フユーチヤーベッセルinハーグ&横浜」に招待された酒田市の小学生をはじめとする東北各地の小・中・高校生をゲストに迎え、遊佐・酒田・立川・新庄・山形の小学生たち60名が、最上川河口の酒田市に集まった。そして、子どもの視点で水環境を守るための意見交換会「子ども水会議in最上川」を開健した。席上、水の大切さや清流をいかに取り戻すかなど、最上川が抱える緊急の課題について、子どもたちの純真な提言が寄せられた。身近なことから1人ひとりが考え、取り組むことの重要さ。子どもの気付きを通して、大人たちがどのように考え、行動していけるか。川と子どもたちに学ぶことは、大変多い。

 最上川河口での水環境の健全化を考える取り組みは、今始まったばかりだが、着実に意識の高い子どもたちが育ち始めていることは何にも替え難く嬉しい。近い将来、水を通して最上川流域の子どもどうしが、交流を深めあい、ひいてはムるさとへの愛着に繋がっていくことも期待したい。

 「広き野を流れゆけども最上川  海に入るまでにごらざりけり」

 山形県のシンボル、最上川への関心を今こそ県民総参加で高めあい、名実ともに美しい川として、次の時代へ伝えていくためにも、1人ひとりの小さな1歩に、大きな期待を寄せたい。
【出典:「Future SIGHT11号」(2000年冬 発行)】

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