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photographed.




女性グループ「ミヤマンマ」  農家レストラン・エルベ

 農業が、奉行人や手間取りの労働力に支えられながら、すべて手作業だった昭和40年代までは、3ヘクタールの水稲農家でも生活できた時代だった。早場米と称して、一等米から五等米までの格付けがあり、なおかつ米の出荷が15日周期に価格が下がる仕組みである。いきおい農民は高値のうちに出荷できるようにと頑張る。43年には全国的な大豊作となり、農協の米倉庫に入りきれず、早場米とは逆に遅出し米に奨励金を加算するという苦肉の策。

 その翌年から生産調整が始まり、社会的情勢とからみあって、米余りに拍車がかかり、年々減反割合がアップ。現在三年に一度米作りは休業という事をよぎなくされている。

 農機具の普及は目をみはるものがあった。作業行程や生計までも根こそぎ変えていったように思う。田植機の導入は、育苗作業の形態を変えてしまい、刈り取り脱穀が一緒になったコンバインの出現は、人的労働力に頼っていた作業を一気に解決し、一人作業も可能とした。籾乾燥から籾摺り調整出荷まで、スイッチ一つですべて機械化。まるでオートメーション工場でも見ているようである。こうして機械化が普及するにつれて、余剰労働力は工場へと流れてゆき、労働力の省力化には大きな貢献がなされた。


1945年6月5日生まれ。
水稲5.5ha、里芋20a、なす・かぼちゃ10aを育てる専業主婦。
2000年4月より、農家レストラン・エルベに係る。

五十嵐 富美子 tomiko igarashi
農家レストラン・エルベ代表
 しかしそれに反して、機械代金の返済に追われる農業と化し、農民は機械貧乏に瀕死の状況となっている。
 農機具ほど稼動効率の悪いものはないと思う。年間、一機種多く利用しても二十日前後、それが幾機種も必要であるからたまったものではない。これを打破してゆくには、共同利用以外にはないように思う。農家個々には理解していても、なかなか共同利用が実現できないのは、なんの障害があるのだろうかと考えさせられる。

 多収穫を目ざした農業は、結局米余りの要因を作り、機械や化学肥料、農薬にたよる農業は、土壌をもこわし地球環境にも悪影響を与える事は必至である。
 農地は、作付をしてこそ管理もできるし景観美も保てるけれど、荒廃した土地は、日本農業の明日を見るようで非常にしのびない。 食管法が解かれた今、企業感覚を身につけ何をどうすれば商売に結びつくのか、真剣に取り組む必要があるかと思われる。
 私もこのような農業の変遷に身をおいて、専業農家として生き抜いてゆくとき、米が過剰なら、米でないものを考えれば良い。率先して転作に取り組み、土地利用型の作物を導入するとか、パッチワークのような野菜作りをするとか、消費者がどんなものを求めているのか、消費者のニーズに合わせる事を第一に考えたいと思う。

 農業は今、安全な食料を消費者に届けたいと有機栽培や低農薬栽培を駆使して試行錯誤を重ねているが、販売作戦については、まだまだ立ち遅れていると思う。野菜一つにしても、農家のこだわりや思いを、メッセージとして消費者に伝えることも大切であり、付加価値をつけながら、所得の向上を図っていかなければ、生計も成り立たないし、魅力のない農業には、後継者も育ってゆかない。
インスタント食品やレトルト食品が多く出まわり、一家団らんの食事は、テレビを見ながらの食事が多く、家庭のぬくもりや家族の会話も希薄になっている事は否めない。

  フランスでは、学校給食の時間に必ず素材の説明や料理の仕方を教えるという。私たちは食文化の追及と継承をなおざりにしてはいけないはず。地球資源と生命を守るためにも、生産をし、次の世代に伝えてゆかなければならないと痛感しているところである。

 安全な食物を提供するにはどうしたらよいか。食文化の追究、子供たちへの継承。生産の現場で働くからこそ、食についても真剣に考えていきたいという思いをあたためていたところ、農家レストランのお話を行政から受けて、私の中で自問自答をくりかえしていたものが、このレストラン経営に参画する事で納得できるのではないかと考え、ここに、「農家レストラン・エルベ」の紹介をかねながら、私の思いを記述したい。

 役場が、山村振興農林漁業特別対策事業の助成を受けて、地域農産物等活用型総合交流施設として、農家レストランを公設。
飯豊町では、女性の農業セミナーを開講してから10年以上の歴史があって、現在アグリセミナーと名称を変え、30名ほどの会員で、学習会が開かれている。野菜、花卉、加工と各部門で研修を積んできて、それを農家レストランで、実践開花して欲しいとの行政の趣旨に賛同したメンバー十人が、レストラン運営に参画することになった。

 組織を「ミヤマンマ」と称し、昨年4月から活動を開始。先進地の視察から始まり、意識の高揚を図りながら、ミーティングを重ねる事数10回。店名も「農家レストラン・エルベ」と決定。料理の内容も、地元店との競合をさけ、ピザとパスタの店とした。
 ちなみに「エルベ」とは、イタリア語で、ハーブ。「ミヤマンマ」とは、私の愛しいお母さんという意味。
 ミヤマンマに秘められた心意気を凝縮させて、11月から実践活動。料理の特訓から、オープンまでの下準備と、ようやっと一年をかけて、4月19日オープンしたところである。

 食を提供するレストランは、地元の食材をふんだんに使い、旬の味にこだわりたい。直売は、地元の女性の感性を活かした、手造り民芸品、アレンジフラワー。朝採り野菜。インタリア食材等、さらにジャンルを増やしてゆきたい。店の前には、20アールのハーブ園に80種類のハーブを植栽。美しい景観形成と共に、ハーブティーや食材への利用。ドライフラワー、ポプリや、リース、石けん作り等体験工房を通して、学びと交流を大切にしてゆきたい。料理教室、健康教室、ディナーショー等の各種イベントも、ミヤマンマの意図するところである。
 農家女性が、レストラン・ガーデンのすべての管理、企画運営をしていく時、ピカッと光るひらめきと、アイデアが大切。常に問題意識をもって、行動に移す事。7ヵ月間、無我夢中で走って、痛切に感じたところである。

 私の農業人生の中で「農家レストラン・エルベ」との出合いに、日頃の思いの縮図を重ね、生産物の販売、食の追及継承。学びと体験、交流を目ざしながら情報の発信基地として、地域に密着した農家レストランであり続けたいと思っている。

【出典:「Future SIGHT11号」(2000年冬 発行)】
生ごみは「勇気資源」循環と共生

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